歯内療法学会の研修会に参加してきました

歯の神経の治療を専門的に掘り下げる学会の研修会に参加してきました、歯科医師の生澤です。5月に開かれる第9回世界歯内療法会議(3年に一回の開催)の概要や注目点などを、学会に先立って聞いてくることができました。

特に、寺内吉継先生のご講演“感染除去”は面白く拝聴しました。神経の治療はあらゆる意味からもバイ菌との戦いです。そのためのラバーダムですし、滅菌された(バイ菌のいない)器具ですし、よく見るための顕微鏡です。

ただ、どんなによい顕微鏡を使っても、どんな名医でも、器具が届く範囲には限界があります。神経の入っている空間というのは、一つとして同じ形はなく多様です。そして網目のように奥のほうでつながっているものも多く、全ての空間のバイ菌を排除するのはとても困難です。

ですから、歯の上からの直線的なアプローチには限界があるため、いかに網目の奥のバイ菌に届くように殺菌薬を送りこむかが、神経の治療の成功の鍵を握るのです。

 

今回の講演では、歯の神経に関する世界的な論文集からのデータに基づく新しい技術と知見についての紹介がありました。しぶといバイ菌にきく殺菌薬や、バイ菌を洗いながすための超音波を使った高圧洗浄法、また上からのアプローチにかかせない、目のつまりにくいファイル(針のような形で根の中をきれいにする道具)など、勉強になりました。

 

そして5月に行われる学会でどんな新しいことが聞けるのか、また楽しみになりました。いよいよ来月と近づいてきて、オリンピックを待つ開催地の住民の気分?です。また世界歯内療法学会の様子はブログでも報告しますので、お楽しみに。

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