歯科先進国・日本!?

先日、大学の先輩から紹介されて、東京医科歯科大学での留学セミナーに参加してきました。そこで、本題とは一見はなれますが、あるいは日本の歯科事情の本質かもしれない、衝撃的な数字を聞きました。

日本の歯科の定期健診受診率はわずか2%だそうです。日本では歯科は治療するために行くところ、という認識が根強くあります。また、そのあとに日本の治療費と世界の治療費の比較というのもありました。お察しのとおり、日本の治療費は北米や欧州とは格段に安いということが示されました。国民皆保険のおかげでもあり、横並びの治療は必ずしも最良の治療ではないという一面もあるという話もありました。定期健診受診率と治療費という切り口は、実はつながっています。つまり、諸外国では治療費が高いので、むし歯にならないように定期健診によく通うということです。

セミナーを聞いて、なるほど~と思っていた矢先、電車の中である親子の会話を偶然耳にしました。5歳くらいの男の子と母親の会話です。母「歯に穴があいちゃったから歯医者さんで治療しないとね。そこお菓子入ってしみる?歯医者はこわくないよ。ばい菌のところ削るだけ、行かなくちゃね」男の子「えーやだなー。歯にいい食べ物はグミ?チョコ?こっちのほうがいいかなー」とそれから親子はどのお菓子が歯にいいかとずっと話していました。私はそれより、歯に穴があくまで、あいても放置している母親に疑問を感じていました。歯磨きがちゃんとできていれば、むし歯になりませんし、定期健診していれば穴があくほど大きくならないのです。子供のむし歯は親の責任です。とは言っても、この親子は平均的な日本の親子かもしれません。それくらい、歯に穴があいたら歯医者にいく、という考えの人が多いということでしょう。

そのセミナーではまさに、子供の頃からの定期健診にいく習慣こそが大人になってからの歯を守る、とても大事なことだと言っていました。子供の教育が大切だというのはここでも言えそうです。子供のころから習慣化していれば、大人になってから歯が蝕まれて歯科を繰り返し治療のため受診するという悪循環に陥らなくてすみます。

というわけで、定期健診の重要性を訴えることが大きな課題といえそうです。

 

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