歯と人工物

こんにちは。歯科医師の堀です。

先日、接着歯台修復についての勉強会へ参加してきました。

接着歯台修復とは?

当院では根管治療を専門としておりますが、根管治療の成功には以下の項目がすべて整わなければなりません。

1 感染源の除去  →虫歯や、感染してしまった人工物、未処置で残された部分などを除去し、薬剤で洗浄し可能な限りの無菌化を試みます。

2 緊密な封鎖  → 除去後の空間に隙間や感染後の菌の活動スペースを作らないように可能な限り緊密に封鎖してばい菌の活動を抑えます。

3 今後の感染の予防 → 新しく人工の歯をたて今後の細菌進入を防ぐとともに歯の機能を回復します。

今回のテーマ「接着歯台築造」は3の今後の感染の予防の中における土台(ファイバーコア)についてのお話でした。

歯と人工物(修復した人口の歯)が長期にわたって良好な状態を保つためには、、

1 歯である生態と 人工物であるレジン(セラミックやファイバー)の強固な接着

2 歯と人工物の強度や耐久性がどれだけ近いか(歯と同じ性質をもっているか)

が重要になります。

今回のお話では特に2が与える影響について深く学ぶことができました。

簡単に言うのであれば、歯が人工物より硬ければ、かかった力で人工物は壊れてしまいます。壊れてしまえば細菌の進入を防げませんし、脱離し再治療が必要になってしまいます。

人工物が歯より硬ければ、かかった力で歯が折れてしまい抜歯になってしまいます。

歯と同じくらい硬く、歯と同じくらい柔らかいというなんとも難しい条件が求められるのです。(歯は金属のように固く感じると思いますが、金属も大きな力がかかれば曲がりますし折れますよね!あるいは硬い木が風でしなるのと同じような感じです。そして残念ながら歯は金属ほど硬くはありませんので金属ポストが使われなくなってきた理由はここにあります。)

結論としては現在のところ、レジンとファイバーという材料を力の応力のかかる場所に応じて適正に配置することが歯に一番近く、尚且つ歯との接着力を最大限に高めることで長期的に歯を良好に保つ秘訣であることがわかりました。

 

聞くと確かにそんなに難しい理屈でもなく納得できるものでした。当院でも今後の感染を予防するために常に気を付け散る部分ではありますが、より良い治療を提供するためにも応用できる部分は取り入れていきたいと思います。 

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