歯の神経の治療は安い?高い?

こんにちは。歯科医師の生澤です。

最近、当ホームページをご覧頂いているのか、歯の神経の治療がうまくいっていない方や、他院さんで抜歯をすすめられたがどうしても残したい、という患者様がよくいらっしゃいます。

あまり一般の方には知られていないのですが、歯の神経の治療(マイクロエンド)はとても難しいです。アメリカではendodontistといって、歯の神経の治療だけを行っている専門医がたくさんいます。神経の治療は、歯にばい菌を入れないように、どんなにむし歯でくずれている歯でも足場を作って(隔壁)必ずラバーダムをします。また、根の形はとても複雑で、中には網目のようになっているものもありますので、そのような根に一回ばい菌が入ってしまうと中をきれいにするのは、とても大変です。神経の入っている空間は、年齢を重ねるにつれ、どんどん狭くなってくるので神経の穴(根管口)は肉眼ではとても見つかりづらくなります。ばい菌をとりきれないと、数年たってから痛みがでて、骨がとけている、という状態になってしまいます。これではせっかく上のかぶせ物をいいものでも再治療が必要になってしまいますね。

残念なことに、再治療をすればするほど、歯は小さく、割れやすくなってしまいます。ですから、最初に歯の神経を治療するときは、確実にばい菌を排除して、ふたをすることが大切です。上のかぶせ物もより精度の高い物をお勧めしています。せっかく神経の治療が成功しても、長年の間に口の中のばい菌がかぶせ物のすきまから入ってきてしまえば、何の意味もありません。精度の高いかぶせ物で、正しいブラッシングをして頂ければ、何度も歯の中を治療しなおすことによって歯を小さく、割れやすくしなくてすみます。

ときどき、この歯を抜いてインプラントにしてください、という方がいますが、皆様の中で、この指切って、義指(?)にしてください、という人はいないですよね。歯は32本あっても役割も違います。二度と生えてこない大切なものですし、それを補う全く同じものはありません。

インプラントでは、かめるようになりますが、メンテナンスがとても大切で、ご自分の歯にくらべて、ばい菌にとても弱いという弱点があります。

ですから、長い目で見たら、自分の歯にかなうものはないのです。神経の治療だけでも一回一時間半で2~4回かかり、忍耐がいります。それは、顕微鏡(マイクロスコープ)を使って、ミクロン単位で行うとても細かい治療だからです。また、かぶせ物まで含めると、インプラントと同じようなお値段になります。決してお安くはないですが、ご自分の歯の値段はいくらでしょうか。。。ぜひ、すぐに抜歯を受け入れないで、ご自分の歯を残すために神経の治療をしてばい菌と戦いましょう!

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